先日、スマホの操作を教えてほしいという依頼があり、何件か対応させて頂いたのですが、見事に全てドコモのらくらくスマートフォンでした。
らくらくスマートフォンとは、富士通がドコモから出している初心者向けのスマートフォンで、OSはAndroidなのですが文字やアイコンが大きく見やすいことや、他のスマホにありがちなタップミスによる誤操作を防げる操作性が売りです。
ですが、文字やアイコンが大きくても独自のUIによる操作方法のわかりづらさ、同価格帯のAndroidスマホやiPhoneとは比較にならないくらい低スペックな性能など、私が他人に勧めたくないスマホ圧倒的第1位となっているスマホです。
実際、年配の方でスマホを使っている時に感じるストレスを、本来はらくらくスマートフォンのスペック不足が原因なのに「スマホとはこういうものだから嫌だ」と間違えた認識になっている方も多いと現場にいて感じます。
スマホが嫌だ、なのではなく「らくらくスマートフォンだからダメ」という事を1人でも分かってほしいと思い、今回はご家族にらくらくスマートフォンを使っていてスマホの操作を苦手としている方がいる、という方に向けて解説をしていきます。
こんにちは、スマートホリック(@smart_holic1019)です。
このブログは「家族でスマホを使う時に、お得で使いやすいサービスを紹介する」をコンセプトに作っています。
それでは今回の解説はこちらです!
らくらくスマートフォンを勧めない3つの理由
私はショップ店員だった頃から、らくらくスマートフォンはあまり勧めていませんでした。
が、1組あたりの接客時間にも限りがあり、らくらくスマートフォンにしたいというお客様には特に否定せず手続きを進めてしまっていました。
店側にとってはらくらくスマートフォンだろうがiPhoneだろうが同じ「スマホ1台の販売」という実績ですから、どのスマホにするかに対し時間をかけることは歓迎されていないという環境がありました。
そういう環境はとても嫌で、自信を持って働けなくなりました。
携帯ショップの環境についてはまた別記事にしますが、こうやってブログでしっかりと情報発信ができるようになり、おかげさまで収益も出ている状況なので今は自信を持ってらくらくスマートフォンは勧めない、という事を発信できます。
らくらくスマートフォンを勧めない理由は以下の通りです。
スペックが低すぎる
らくらくスマートフォンのスペックはこちらです
製品名
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らくらくスマートフォン F-52B docomo
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基本仕様
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発売日
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2022年2月24日
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OS種類
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Android 11
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CPU
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Qualcomm Snapdragon 480
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CPUコア数
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オクタコア
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内蔵メモリ(ROM)
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64GB
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内蔵メモリ(RAM)
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4GB
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充電器・充電ケーブル
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USB Type-C
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外部メモリタイプ
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microSDXCメモリーカード
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外部メモリ最大容量
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1024GB
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バッテリー容量
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3400mAh
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画面性能
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画面サイズ
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5インチ
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画面解像度
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1980×1080
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パネル種類
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有機EL
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カメラ
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背面カメラ画素数
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広角:約1310万画素
マクロ:約190万画素 |
前面カメラ画素数
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約810万画素
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手ブレ補正
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○
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4K撮影対応?
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–
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スローモーション撮影
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–
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撮影用フラッシュ
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○
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複数レンズ
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○
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サイズ・重量
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幅
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70mm
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高さ
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143mm
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厚み
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9.6mm
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重量
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153g
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カラー
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カラー
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ホワイト
ピンク ネイビー |
機能
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おサイフケータイ/FeliCa
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おサイフケータイ
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ワイヤレス充電(Qi)
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–
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急速充電
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USB-PD 2.0
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認証機能
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指紋認証
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耐水・防水
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IPX5/IPX8
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防塵
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IP6X
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MIL規格?
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MIL-STD-810G/810Hの23項目に準拠
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イヤホンジャック
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○
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HDMI端子
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–
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MHL
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–
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フルセグ
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–
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ワンセグ
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○
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ハイレゾ
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–
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GPS
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○
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センサー
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加速度センサー
重力センサー ジャイロセンサー 地磁気計 照度計 近接センサー 回転ベクトルセンサー |
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ネットワーク
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5G
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○
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4G・LTE
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○
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無線LAN規格
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IEEE802.11 a/b/g/n/ac
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テザリング対応
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○
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Bluetooth
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Bluetooth 5.1
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NFC
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○
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赤外線通信機能
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–
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SIMカード
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デュアルSIM
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–
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デュアルSIMデュアルスタンバイ(DSDS)
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–
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デュアルSIMデュアルVoLTE(DSDV)
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–
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SIM情報
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nano-SIM
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これだけ見ても何のことなのか、という方のために重要な部分を赤文字にしています。
スマホの場合、CPU・内蔵メモリ(RAM)が特に重要で、その次くらいに内蔵メモリ(ROM)、液晶解像度、バッテリー容量が優先順位高いかなと思っています。
カメラ性能や本体のサイズ、おサイフケータイなどの付加機能については各個人の価値観になりますので、ご自分のスマホを選ぶ時はどれが大切なのかを考えると良いと思います。
らくらくスマートフォンの場合、一番大切なCPUと内蔵メモリ(RAM)が最低限の性能しか無く、3年前のスマホと同じくらいです。
ここの性能が低いので、1年もすると動きが遅くなる、反応が悪くなるといった事が起こります。
内蔵メモリ(ROM)はストレージとも言いますが、こちらは64GBになったのは良い事だと思います。
これまでは32GBしかない上にドコモのプリインストールアプリが非常に多いので、すぐに容量不足になっていました。
らくらくスマートフォンを使っている方で「ショップで容量不足と言われ買い替えを促された」という経験は多くの方があるのではないでしょうか。
このように、らくらくスマートフォンはスペックが低すぎて、本来気にしなくて良いところまで気にしなければいけないという事がお勧めできない1つ目の理由です。
操作性が悪く時間がかかる
らくらくスマートフォンの操作については若干特殊です。
基本OSはAndroidですが、文字やアイコンを大きく見やすくしています。
ただ、他のスマホと比較し自由度が低く、自分でインストールしたアプリが見つけられない、という事がよくあります。
他にはショートカットを出せるところが限られているので、逆にわかりづらくなったり、不要なアプリなのに見つけやすいところにある、などユーザー側の自由度が少なく、製造時の配置通りに使ってという意図を感じてしまいます。
メールソフトにはキャリアメール以外のアカウントは設定できず、電話帳からメールを送る時はキャリアメールでしか送れません。
Gmailなどを利用する時はアドレス帳を別に作成する必要があります。
iPhoneでは設定したアカウントに紐づくのでGmailでも問題ありません。
こうした細かい部分ですが、これが積み重なることで操作に時間がかかってしまい、スマホは面倒という認識につながってしまうのではないかと思っていますので、らくらくスマートフォンはお勧めできない理由の2つ目となります。
性能と価格が見合っていない
最後3つ目の理由は、性能と価格が見合っていないという点です。
らくらくスマートフォンF-52Bの本体価格は、ドコモオンラインショップで51,744円です(2022年7月時点)
ちなみに、だいたい同じくらいのスペックを持っているスマホだとAQUOS Wishがあります。こちらは26,180円となっています。
価格差は倍ですが、性能は同じです。
AQUOS Wishも性能が高いスマホとは言えませんので、らくらくスマートフォンと同じ価格で性能が高いスマホを私は勧めたいと思っています。
実際、この3つの理由をお話しして、らくらくスマートフォンではなくiPhoneSEを購入してくださったお客様もいらっしゃいました。
購入価格は若干上がりましたが、1年後2年後に分かりますからと伝えました。
低スペックなスマホを使うデメリット
これまではらくらくスマートフォンについてだけ話してきましたが、低スペックなスマホを購入した方ほどスマホが嫌と言っている傾向があります。
この理由は、スペックが低いスマホしか知らないことにあります。
アプリが動かない、反応が悪い、操作が大変というのはスマホのスペック次第でどうにでもなる問題です。
ここからは低スペックなスマホを使うことによるデメリットを解説します。
長く使えない
低スペックなスマホは確かに安いです。
高い高いと言われているキャリアショップであっても30,000円以下で購入できます。
普段スマホを使わない方ほどスマホにはお金をかけたくない、という傾向がありますので、自然とこういったスマホを選ぶようになります。
実際、ショップに来店する機種変更希望のお客様で「希望機種が無い」という方はだいたい一番安いものを選んでいきます。
ですが、スマホというのは毎日使うもので、時間もそれなりにかけますよね。
つまり毎日使う上、2年3年と長く使いたい場合、それなりに良いものを使わないとスマホ自体が耐えられません。
低スペックなスマホを購入してしまうと、買い替えサイクルが早くなりますので、結果的に満足度も下がり費用もかかってしまうということがデメリットと考えています。
例えば、
30,000円のスマホを2年使うのと45,000円のスマホを3年使うのでは、1日あたりのコストは共に「1,250円」と同じになります。
ですが、当然性能が違いますので1日あたりの操作にかけるスピードだったり、スマホの動作が早いことによるストレスの軽減など高額なスマホを長く使う方がトータルの満足度は高くなります。
1年もすると動きがカクカクになる
デメリットの2つ目は、操作性についてです。
スマホは日々様々なデータを受信し、アップデートをしています。
アプリもそうですし、OSもアップデートしています。
そういった事を繰り返すうちに、スマホの動作が遅くなっていきます。
これは例えると、自分のデスク回りに勝手に書類が置かれ、入りきらなければ新しい棚や箱が勝手に作られていく、という状況になります。
当然ある程度までは把握していこうと工夫していくと思いますが、次第にどこに何があるのかわからなくなってしまいます。
そうなると、これまでできていた事でも効率がどんどん落ちていきますよね。
スマホの動作が遅くなってしまうのも同じ理屈です。
これはどのスマホでも起きる現象ではありますが、当然スペックが高いほどその状態になりづらくなります。
逆に言うと、スペックが低いとすぐに効率が悪くなるということです。
らくらくスマートフォンやキャリアショップで購入できる安いスマホでは、1年もしたら動きがカクカクしたり、アプリがなかなか開かなかったりとストレスを感じる場面が多く出てきます。
そして怖いのは、その遅い状態が当たり前になってしまうということです。
そうすると「スマホは面倒」となってきますので、また買い替えの時に安いスマホを買ってしまうのです。
スマホは使いづらいという認識になる
これは年配の方に多いのですが、低スペックなスマホしか知らないのでスマホは使いづらいという認識になってしまう事が一番大きいデメリットです。
新型コロナウイルスの影響もあり、キャッシュレス決済が増えたり、航空券や映画・イベントのチケットなどもスマホの画面上でやり取りをすることが多くなってきました。
そういった中で
なんて言っていると、自分のやりたい事ができなくなってしまう可能性もあります。
スマホをはじめとした電子機器については使えるに越したことは無いのです。
でも、上のイラストのようにスマホは使いづらいと思っている方も多いです。
その理由は低スペックなスマホを使った事で、
動作が遅い
→遅いから自分の思った事がすぐできない
→できないからやらなくなる
という考えになってしまうからです。
【まとめ】できるだけスマホは性能の高い方を選んで
いかがでしたでしょうか。
私自身の考えとしては、低スペックなスマホを使うことは何のメリットもありません。
私も実際乗り換えで1円で購入できるようなAndroidスマホを使っていたこともありますが、やはりメインスマホとして使うには性能が低すぎました。
アプリがカクカクだったり、文字入力もメインスマホならできていた動きができていなかったりしてストレスがありました。
比較対象があればこのように遅い、という事がわかりますが、遅いスマホしか知らない方はそれが普通なのです。
年配の方でもそうでない方でも、低スペックなスマホだけは使わないようにしてください。
できるだけでいいので、最安ではないスマホを選んで欲しいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
皆様のスマホ生活が向上しますように。
他にもスマホについての記事を公開しています。
ぜひご覧ください。